渋谷 矯正 コーカソイド
身体的特徴に基づく歴史的人種分類概念の一つです。欧米人の骨格はコーカソイド型と言われ、鼻が高く頬骨も急激に高くなっています。また額の骨も盛り上がり彫りが深いのが特徴です。それに対し、日本人の骨格はモンゴロイド型と言われ、最も特徴的な部分は鼻と頰骨に凹凸がありません。また頬骨が横に広い為に平面顔にみえるのも特徴です。

コーカソイドの特徴
- 頭蓋が前後に長い長頭型
- 鼻骨・鼻筋が高い
- 前頭骨やオトガイが前に出る
- 出っ歯や口ゴボとなることは少ない
モンゴロイドの特徴
- 頭蓋が前後に長い短頭型
- 鼻骨・鼻筋がコーカソイドに比べて低い
- 顎部分が前に出やすい
- 出っ歯や口ゴボとなることがコーカソイドに比べて多い

横顔の美しさを図る指標で、顎から鼻先にかけて一直線に線を引いた時に上唇がそのライン内におさまる美しい横顔を「Eライン」=エステテッィクラインと呼びます。美しい顔の条件として、Eライン(エステティックライン)は非常に重要です。 一般的には唇がこのEラインからはみ出していない状態が美しい横顔とされています。 しかし、人種によって鼻や顎の高さが違うので、美しいとされる基準も異なります。
しかし日本人は欧米人と比べて、圧倒的にこのEラインを持っている人は少ないと言われています。Eラインの基準はアメリカの医師によって作られたものなので、日本人が同じ基準に満たないのは仕方のないことかもしれません。
そもそも欧米人はコーカソイド、私たち日本人を含むアジア系はモンゴロイドと呼ばれ、骨格の作りが違うため、鼻の高さが圧倒的に違います。しかし理想的なEラインはただ鼻が高ければ良いというわけではありません。
そこに大きく影響してくるのが歯並びの悪さです。歯が唇側に傾斜して生えていることによって口元が出てしまうと、横顔のバランスが崩れてしまいます。骨格を変えることは難しいですが、歯並びなら歯列矯正で改善することができます。
コーカソイドとモンゴロイドのお話をしましたが、症状によっては矯正治療でEラインの改善をすることが可能です。下の症例はマウスピース矯正(インビザライン)にて歯を抜かずにEラインを改善した症例です。
Before


After


インビザライン矯正では、インビザライン社が作成した3Dシミュレーション(クリンチェック)を基に治療を進めていきますが、このクリンチェックを患者さまの骨格に合わせて修正することこそが極めて重要となります。なぜなら、このクリンチェックは全世界1700万人以上のインビザライン患者さんの治療結果のデータを元に最適化されて作成されていますが、これは主にコーカソイド(欧米人)の骨格を前提としているからです。
モンゴロイド型の日本人のインビザライン矯正を行う場合、作成されたクリンチェックを日本人向けに作り直す必要があります。クリンチェックはコーカソイド型の欧米人の骨格を前提に作られているからです。 骨格の違いに加え、歯根が存在している歯槽骨の幅が極端に狭いことも日本人の特徴です。
コーカソイド型の欧米人向けのクリンチェックでそのままインビザライン矯正治療を行うと、この歯槽骨の幅の狭さが考慮されず、歯が骨から飛び出したり、歯肉退縮(歯茎が下がる)の原因となることがあり得ます。 クリンチェックは、しっかりと日本人向けに修正し、時間をかけて完成させる必要があります。ここで必要となるのが歯科医師の技術ということになるのです。
コーカソイドは牧畜が主で肉・ミルク・バターなど動物性脂肪が多い食事が中心でした。動物性脂肪はより多くのインスリンを必要とします。一方、モンゴロイドは農耕が主でインスリンをさほど必要としません。その結果、コーカソイドはモンゴロイドと比べると、インスリンを分泌するβ細胞と膵臓がより発達しました。私たち日本人は言うまでもなくモンゴロイドです。日本人の膵臓の重さは平均70~100gです。一方、白色系欧米人のそれは100~140gで、日本人の1.5~2倍くらいの重さです。実際のところ、白色系欧米人は血糖値を下げる働きのあるホルモン「インスリン」の分泌能力が、日本人を含むモンゴロイドの1.5~2倍くらいあります。モンゴロイドはインスリンの分泌能力が低いため、「少しの肥満」でも糖尿病になってしまいます。一方、コーカソイドの欧米人は超肥満になるまで糖尿病にはなりません。日本人はもともと太りやすく、糖尿病になりやすいのです。
口ゴボ(出っ歯)といっても症状はさまざまで、人によって異なりますが、原因は主に以下の3つです。
- 歯が前突している
- 骨格が前突している
- 歯と骨格が前突している
歯が前突している出っ歯の治療法

矯正治療で改善することが可能です。
骨格が前突している出っ歯の治療法

十分な移動を期待したい場合は、外科的手術が必要になります。
歯も骨格も前突している出っ歯の治療法
矯正と手術、両方の治療が必要な場合もありますが、手術にかかる身体的・経済的・時間的負担が大きいことから、矯正治療だけでどこまで改善できるかを検討することが推奨されます。
Eライン矯正(口ゴボ矯正)とは、横顔の美しさを評価する基準である「Eライン(エステティックライン)」に沿って、口元のバランスを整える矯正治療です。口元が前に出ている「口ゴボ」の状態を改善し、美しい横顔と健康的な口元を手に入れることを目的とする矯正治療です。

Eライン( エスティックイン)は 鼻先と顎先を結ぶラインのことです。美しい横顔の一つの基準として、 唇がEラインの線状または少し内側に納まっている状態が理想のEラインとされています。
口ゴボとは、横顔を見たときに口元が「モコッ」と盛り上がってみえる状態を指します。専門的には上顎前突と言われ、口元が前に出ていることで、自分の横顔にコンプレックスに思われる方も多くいらっしゃいます。
口ゴボかどうかを確認する方法として、人差し指を使うチェック法があります。 鼻先と顎先に人差し指を当てて、そのラインに口元が触れているかを確認します。もし口元が人差し指に押しつぶされるのであれば、口ゴボの可能性があります。
出っ歯の方や、歯並びは良いが顎の骨格の影響で口ゴボになる方は多いです。また、下顎が後ろに引っ込んでいる方も口ゴボになりやすいです。
Eライン矯正後の口元のイメージ

口ゴボを放置するとどうなる?
口ゴボ(出っ歯)は単に見た目の問題だけでなく、さまざまな健康上のリスクをもたらすことがあります。以下で、口ゴボを放置すると生じる可能性のある問題について説明します。
歯周病のリスク増加
口ゴボの状態では、前歯が正常な位置よりも前に突出しているため、ブラッシングやフロスなどの歯のケアが困難になります。そのため、プラークや細菌の蓄積が増え、歯周病のリスクが高まることがあります。歯周病は、最終的には歯の喪失につながることもある重篤な病気です。
噛み合わせの問題
口ゴボは噛み合わせのバランスを崩すことがあります。噛み合わせが悪いと、噛む力が均等に分散されず、一部の歯に過剰な負荷がかかりかねません。
そのため、噛み合わせのバランスが悪いと歯や顎関節に負担をかけることがあります。これにより、顎関節症や歯の摩耗などの問題が引き起こされることがあります。
口臭の悪化の原因となる
口ゴボによって口呼吸が増えることで、口臭が生じやすくなります。出っ歯は上顎の成長を阻害し、これが鼻呼吸を難しくすることが多いからです。口呼吸が多いと口の中が乾燥します。そうなると、口の中を清潔に保つ役割を果たす唾液が効果を発揮できません。そして、口臭の原因となる細菌が増える土壌を作り出してしまうのです。

そもそも本来、呼吸は鼻でするもので、鼻は空気中の異物やウイルスを取り除き、冷たく乾燥した空気を加湿、加温してくれるフィルターの役割をしているため、鼻呼吸は外気を体にとって害のない綺麗な空気にして肺に送ります。一方、口呼吸は空気中のウイルスや冷たい空気が直接肺に侵入するため、様々な病気や症状に繋がります。
ほうれい線の悪化
一般的に、ほうれい線は加齢とともに深くなるものですが、口ゴボの症状のある方はその進行が早まることが知られています。その理由は、出っ歯により口腔周辺の筋肉のバランスが崩れ、それが結果としてほうれい線の形成を促進するからです。出っ歯は「不正咬合」の典型的な例です。不正咬合とは、上下の歯が正常に噛み合っていない状態を指します。不正咬合は、顔の筋肉の動きを不自然にしてしまうことがあります。結果として顔の表情に影響を及ぼし、特にほうれい線の形成を促す可能性があるのです。
審美的な問題による自信喪失
口ゴボは、顔のプロポーションや横顔のEライン、表情に影響を与えるため、自己意識の低下や自信喪失につながることがあります。特に、社交的な状況や仕事の場での第一印象など、見た目が重視される状況では、出っ歯が精神的なストレスとなることがあるため、適切な対処が求められます。出っ歯の原因や程度に応じた適切な治療は、これらの問題を予防または改善するために重要です。早期に歯科矯正医の意見を得ることで、より健康な口腔の状態を維持できるでしょう。

梅干しシワにはボトックスも有効
口ゴボの方が口を閉じる際、下唇を持ち上げるオトガイ筋に力が入ってしまうため梅干しシワと呼ばれる細かなシワを作ります。インビザライン矯正で口元を下げることで改善を図りますが、お口周りの筋肉が関係しているため、ボトックスを注入することで筋肉の力を弱めた結果、効果が得られるケースもあります。
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渋谷 矯正 コーカソイド
矯正治療と言うと、「歯を並べる」ことがゴールと考える患者さんが多いと思います。
そう捉えている歯科医も少なくないかもしれません。ですが、本当に歯を並べるだけで良いのでしょうか?
将来にわたって健康で美しい歯を維持していくためには、矯正の観点からだけではなく
複合的な視点で最終的な仕上がりを決定し、そこから逆算でどのように治療していくかを計画し、
更にそれぞれの分野が個々にではなく、協力し合い総合的に治療を計画、進行して行くことが重要なになります。
これを専門的な言葉で「インターディシプリナリーアプローチ」(包括的な治療)と言います。
・・・・・ちょっと抽象的で分かりにくいですね。
分かりやすいように具体例をあげてみます。
◆歯ぎしりによって上下奥歯が欠損した患者さんの治療◆
この患者さんは歯ぎしりによって右上と左下の奥の歯が割れ欠損した状態で、
歯はすり減り平坦になっているのに加え、下前歯のがたつきが見られます。
みなさんが思い浮かべるような一般的な歯科矯正治療であれば、奥歯には差し歯をし、
下前歯のがたつきの矯正を行って完了となるでしょう。
また補綴(ほてつ)歯科であれば、インプラント治療による奥歯の欠損治療で完了となると思います。
これはそれぞれの專門分野の視点で治療のゴールを定めた場合です。
それに対して、「インターディシプリナリーアプローチ」では、ただ歯を並べるだけではなく、
様々な視点を取り入れ統合的な治療を施します。どんな状態になることがこちらの患者さんにとってベストなのか、
というゴールから逆算をして以下のような治療を行いました。
1. 歯がない部分に入れ歯にした場合土台がしっかりしないため、かみ合わせの力のバランスが悪くなることから、
噛んだ感覚が天然の歯に最も近いインプラントを採用
2. 下前歯のがたつきは上の前歯に影響を与えるだけではなく、顎関節にも影響を与えるた め部分矯正を行った
3. 歯ぎしりによって平たくすり減ってしまった歯にはセラミックの被せもので元々の自然な歯の形を再現
通常の治療であれば、2で終了となります。
審美的な視点も踏まえ 3 をゴールとし、将来的にも健康な歯並びを維持出来るよう様々な角度から統合的な治療を行いました。
いろんな分野を総合的に見てきたからこそ提案できる治療があります。
もしも、お口周りのことでお悩み事があれば一度カウンセリングで話を聞きにいらしてみてください。
ニュースや中継を見ていると、マウスピース矯正をしたと思われる選手が多いことに改めて気がつきました。
アップになっている場面や写真を見ると、どうしても歯並びに目が行ってしまうのは、ある種の職業病です。
そういえばエンゼルスの大谷選手がマウスピース矯正している写真もWEBページで先日見かけました。歯並びを整えることと、パフォーマンスに深い関係があるというのは、近年のスポーツ医学では常識となっており、プロ野球選手やプロゴルファー、水泳選手などなど、多くのスポーツ選手が矯正を行なっていることはよく知られています。
また、最近はスポーツ選手の方でマウスピース矯正をされるかたが多く見受けられます。マウスピース矯正(インビザライン)は簡単に取り外しが出来るため、ワイヤー矯正のようにワイヤがーが外れて口腔内に触れてしまうなどを気にしなくていいのが人気の理由の一つのようです。
パフォーマンスを落とさず競技に集中できるところが人気のマウスピース矯正ですが、歯を並べるだけではなく、きちんと噛み合わせと体のバランスを整える治療を行っていくことで身体能力の向上にも繋がっていきます。
選手がガムを噛んでいるところをみたことはありませんか?ガムを噛むなんて態度が悪いな~、嫌だなと思われる方もいらっしゃると思いますが、選手にとっては得られるメリットがあるそうです。
①ガムを噛むことで集中力も上がる
→脳への血流が活発になって脈拍数や心拍数が安定し、集中力が高まったり、
リラックス効果があると科学で証明されています!
②歯を強く食いしばるためマウスピース代わりにもなる
→人は力を入れる時に無意識に歯を食いしばります。
ガムを噛むことでクッションのようになり、マウスピースのように
力を入れるサポートをしてくれる効果があると言われています。
③口の中が潤される
ガムを噛むことによる唾液分泌効果でお口の中が潤されるため、脱水症状からくる
吐き気や気持ち悪さを防ぐ効果があると言われています。
野球チームのロッテはお菓子メーカーの会社なので、ベンチにガムが置いてあるという話もあるそうです
どちらにしても健康な体を維持していくには健全な口腔内環境の維持がとても重要です。適切な治療を行っていくことで噛み合わせと体のバランスが改善され、体の成長にもプラスに働きます。
スポーツ選手に限らず、口腔内環境を整えることで、歯ぎしりや口呼吸が改善されて、肩こりや偏頭痛、不眠などのお悩みが改善された例もあります。歯ぎしりを指摘されたとこのある方や、噛み合わせを治療したい方、まずは当院のカウンセリングにいらしてみませんか?一生モノの矯正をご提供しています。
どちらがよいのか、決められません。
歯科矯正を検討されている患者様から「『ワイヤー矯正』と『マウスピース矯正』の
どちらにしたら良いのでしょうか?」というご相談をいただくことがあります。費用も時間もかかることですし、一生の問題ですから、どちらを選んだら良いのか
不安になってしまいます。今日はこの2つの種類の矯正についてのお話をしてみようと思います。実績豊富で対応範囲が広いワイヤー矯正。
矯正と聞くとまず思い浮かぶのはこのワイヤー矯正ではないでしょうか。
ワイヤー矯正はブラケットと言われる矯正装置を歯に取り付け、そこにワイヤーを
通し、適切な力をかけて動かしたい方向に少しずつ歯を移動させる手法です。ワイヤーの調整は全て歯科医師が行いますので、技術力が必要な治療となります。
熟練の歯科医師の方の調整なんかはもう、職人技の域ですね。昔からある治療法ですので、
実績が最も多く成功例も多くあります。
また、手動でワイヤーを調整するため、マウスピース矯正よりも強い力をかけ
細やかに調整することが出来ますので対応出来る症例が多いことも特徴です。では、デメリットは何かというと、ワイヤーが外れて口の中を傷つけることです。
ワイヤー矯正をされている方が「ワイヤーが外れて口の中に刺さる?」と言っているのを
聞いたことは無いですか?外れてしまうと通院して再度調整をする必要が
あるので手間がかかってしまうことがあります。
また、食べ物が挟まりやすく、虫歯になった際には一度ワイヤーを全て取り外し
治療を行ってから再度矯正を再開する必要があります。食事や歯磨きの制限が少ないマウスピース矯正。
近年増えているのはポリウレタン製のマウスピースを装着するマウスピース矯正です。
取り外しが可能でなんと言っても取り扱いのしやすさがメリットです。
もし虫歯ができた場合も、矯正を中断することなく虫歯の治療が出来るんです。
(写真は現在矯正をされている方の虫歯治療の様子です)
また素材が透明なので、矯正治療をしていることを周りに気づかれにくいこともメリットです。矯正中も治療が可能です。治療跡もセラミックで自然歯のような仕上がりになります。
取り扱いしやすいというメリットがあるという一方、着脱を毎日行なうため
装着忘れなどはご自身で気をつける必要があります。毎日所定時間以上装着しないと
中々歯が移動しません。それぞれ特色が異なりますが、どのような方法で治療するのが最適であるかはカウンセリングで歯科医師に相談してみましょう。
矯正治療を検討する際に大事なことは、「どの種類を選ぶか」ということよりも、「信頼できる歯科医師を選ぶこ」とです。
不明な点や不安はどんどん質問してみましょう。カウンセリング等で、きちんと回答をしてくれる歯科医師であるかどうかが重要だと思います。もちろん、当院でカウンセリングを受ける時は、どんな小さなことでも遠慮なく聞いてください。歯科矯正にはどんなイメージを持っていますか?時間とお金をかけて治療をするのですから、トラブルは絶対に避けたいですよね。
そこで今回は、歯科矯正を検討するときに大切にして欲しいポイントをお伝えしたいと思います。もし、これをご覧になっているあなたが歯科矯正を考えていらっしゃるのでしたら、必ず参考になると思いますのでぜひ最後まで目を通してください。
矯正治療をする上で大事なことは、使う矯正装置ではありません。ワイヤーだろうが、マウスピースだろうがそれぞれ使う道具が異なるだけで(道具によって作用や方法の違いはありますが)歯を並べるという工程は必ず通ります。
重要なのは「治療のゴールをどこに置くのか」、「全体的な治療計画をどのような方向性で組み立てていくのか」、ということです。患者さんへしっかり説明を行い、治療のゴールを共有することは、私たち歯科医師の義務です(歯科医師は何時間もかけて治療計画の立案を行います)。しかしながら昨今のマウスピース矯正の普及によって、当然行われるべきこのステップが蔑ろにされてしまっている風潮を感じます。
もちろん、きちんと対応されている歯科医も多いですが、効率を優先する間違った考えが密かに浸透していることもまた事実です。カウンセリングを受ける際は治療理念や方針などもしっかりと確認しましょう。
どんな治療をするとしてもまずはしっかりとした精密検査を受けることをお勧めします。
根本原因を見極め、原因にあった治療を行うことで治療後の後戻りを少なくし、健康な歯並びをキープすることが出来ます。「並べる」工程は矯正治療の一部であり全てではないことを心に留めておいてください。
治療期間が長い矯正は「登山」に似ています。「治療完了」という頂上に患者さんがたどり着くために、わたしたち歯科医師は足元を照らす伴走者として常に寄り添います。
ですから、信頼関係が築けるかどうかが大事になります。どちらかが努力するだけでは駄目で、協力しあって初めて治療の効果が出てくるのです。初回カウンセリング時にはご自身の不安や疑問をきちんと伝えましょう。そして、それに真摯に向き合う姿勢があるかを見極めましょう。なんだか暑苦しい説明になってしまいましたが、お金と時間のかかる治療ですから、後悔のないクリニック選びをしてください。
矯正器具の装着が不要な上に、安価に施術を行うクリニックが増えてきたため、最近セラミック矯正が流行っています。
セラミックというと、虫歯治療の被せもののイメージが強いですよね。セラミック矯正はどのようなものなのでしょうか?クリニックで聞かれることも多い、「セラミック矯正に関する3つの誤解」を解説します。
セラミック矯正は前歯が多少ガタついていても綺麗な歯の形を実現できる最近人気の治療です。
位置、形を整えるために全周2mm程度歯を削り、セラミックの被せものをして治療が完了します。矯正という名称ですが、実際は被せ物や入れ歯、差し歯など人工の歯で補う補綴(ほていまたはほてつと読みます)治療に近いかもしれません。
歯の並びを整えて被せものをすると綺麗な歯の形を長持ちさせることができます。
セラミック矯正を行うことで、歯の強度が増し、虫歯の心配もなくなると思っていらっしゃる方もいるかもしれません。セラミックの被せものは歯垢がつきにくいため一般的には虫歯になりにくいのですが、綺麗な形の被せものができていなければ経過とともに中の歯が虫歯になったり、弱って機能が低下してしまうことも考えられます。
また、歯の位置を整えないままに歯を削って被せものをした場合には斜めになっている部分を全て削らないといけませんから、歯の強度が落ちます。それに加えて、全体的に歯を削るために・・・やはり、どうしても歯がしみます。
セラミック矯正をされた方の多くには歯並びに特徴があります。歯のラインは綺麗に整っているけれど、歯茎のラインはがたついた状態になっているというものです。これは歯のがたつきは整えず、歯を削り被せものをした場合に見られます。
通常は唇で隠れていますのであまり気にされない方もいらっしゃいますが、美しい歯並びを目指すのであればやはり歯の位置を整えてから最後のひと手間としてセラミック矯正を利用するのがベストではないでしょうか。
セラミック矯正についてご理解いただけたでしょうか?
今回はセラミック矯正に関する誤解のみをお伝えしましたが、私個人としてはセラミック矯正自体は悪いものではないと考えています。大事なのは、手軽に歯の形を変えられる分、リスクがあるということを理解することです。歯の形は生まれもったものがあり、加齢と共に色も変わっていきますので、きちんと歯の位置が整っているのであれば、歯の形を変えたいという時に治療を受けることをおすすめします。これは矯正治療についても同様です。矯正治療は時間もかかりますし費用も高額です。だからこそ、カウンセリングでしっかりと疑問点や不安な点を解消してから治療を受けましょう。
是非ご自身に合う治療を選択してください。
当院は矯正歯科という名前がついてはおりますが、歯を並べるだけの治療ではありません。矯正治療だけでなく、審美治療(ホワイトニングやダイレクトボンディング)や美容治療(ボトックス、ダーマペン、ヒアルロン酸、脂肪溶解、ビタミンC点滴)、さらには予防治療を提供しております。その時だけきれいになるのではなく、人生を通してきれいでいられるようなお口作りを目指します。
矯正治療は見た目が良くなることはもちろんかみ合わせや清掃性が良くなることで、人生を豊にする治療だと私自身思っております。(その反面、歯科治療の中で最も難しい治療の一つであるとも思います。)
皆様に、ここで治療して良かったと喜んでいただけるように、良い治療を提供できるように努力いたします。
今回はマウスピース矯正の種類についてのお話です。
最近では多くのマウスピース矯正の種類が出てきました。有名なところで言うと、キレイライン、インビザライン、クリアコレクト、シュアスマイルなどでしょうか、これら以外にも数多くの種類(メーカー)があります。現在ネット上にも多くの情報がのっているからか多くの方が知っているようですが、インビザラインが最もシェア率が高いんです。
当院でもインビザラインを採用しています。当院でインビザラインを使用している理由の一つもシェア率が高いことです。多くの先生方が利用しているので、情報交換できる量も多く、そのおかげでより多くの症例に適応できるようなります。(世界中の先生方と常に情報交換しながら知識・技術をアップデートしているわけです)私自身も常に最先端の情報を見逃さないように毎日勉強だけは欠かさないようにしています。また進化が速いマウスピース矯正ですが、最初から全てを信じず一つ一つを自分の経験と結びつけながら、正しい情報か吟味しながら治療に取り入れています。
インビザラインを取り入れている2つ目の理由は、奥歯からかみ合わせも含めて治療できるのは現状ではインビザライン(コンプリヘンシブパッケージ)のみだからです。これはとても重要なことです。もちろん患者さんの希望を叶えることが最重要なことですが、奥歯から動かせるということはそれだけ治療の選択肢が増えるんです。より患者さんの希望に近づけることができたり、健康も考えた長期に安定する歯並びに近づけることも可能です。さらに、マウスピース矯正はIPR(歯と歯の間を削りスペースを確保する処置)を多用する傾向にありますが、それも出来るだけ減らすことができます。つまり、健康な歯を削る行為も必要最低限に抑えることができるのです。
逆に例えば、かみ合わせがバッチリで前歯だけ少しガタガタしている方がいらっしゃった時には無理にインビザラインは勧めません。もちろんインビザラインで治療することはできますが、もっと安く治療することができる方もいらっしゃいます。しかし、それを患者さんが決めるのは良く無いと思います。まずは今の自分のお口の中の状態を理解した上で、メリットデメリットを理解した上で治療方法を選択していただきたいと思っています。
他にもいろいろ理由はありますが、インビザラインを使用している大きな理由はこの2点です。ではインビザラインならどこでもいいのかと言うとこれは100%NGです。インビザラインとは結局道具でしかありません。それを用いて治療していく先生ごとに設計は大きく異なります。私の治療方針についてもいずれアップしていきます。
まずそもそも全顎矯正と部分矯正って何?って疑問があると思います。
全顎矯正:歯並びを奥歯も前歯も全体的に矯正していく治療
部分矯正:気になる部分や悪い部分だけ部分的に矯正していく治療
大まかに説明するとこんな感じの分類になります。
全顎矯正はかみ合わせなども含めて全体的に治療していくので、見た目だけでなく機能的な部分へもアプローチしていくことが多いです。しかし、その分治療期間が少し長くなるという欠点もあります。一方、部分矯正は気になるところだけとか部分的なので治療期間は短くて済みますし、費用も抑えることができます。しかし、治療する範囲が狭いので、その分動かせる量も少なくなるので適応(部分矯正に合ってるかどうか)が少ないと言えます。
担当の先生とよく相談してどちらがいいのか決めるのがいいと思いますが、歯科医師から見て部分矯正で全く問題ないという方は少ないのが現実です。なので、最初から部分矯正を希望するのではなく、どちらの話も一応聞いておいて、そのメリットデメリットを理解して上でどちらにするか決めてもらえると良いと思います。
本当は部分矯正ではなく全顎矯正にするべきお口の中にもかかわらず、無理に部分矯正で進めてしまわないことです。もちろん治療後に患者さんが納得・満足できれば良いと思いますが、できない場合も多いんじゃないかと思います。当院にも「部分矯正をしたけど満足できなくて」という相談がよくあります。はじめから全顎矯正していればもっといろんなアプローチで綺麗にできた場合もあります。部分矯正がいけないということではなく、後悔しないためにも術後のイメージを持つことはとても重要だと思います。
そういった理由でも当院では全顎矯正でも部分矯正でも、検査とシミュレーションは欠かさず行っています。矯正が始まった後も重要ですが、矯正を始める前の相談が一番重要だと考えています。もちろん部分矯正でも満足していただけることも多いですし、費用や期間も矯正治療すると決意する要因として大きいと思いますから、まずはどんなことでも相談してください。
マウスピース矯正でいうと、全顎矯正が可能なのはインビザライン(コンプリヘンシブ)です。その他のマウスピース矯正はどちらかと部分矯正に対応しています。ちなみに患者さんに全顎矯正ではなく部分矯正を進めるときもあります。それはどういう場合かというと”かみ合わせ”が問題ない場合です。